凱旋門賞に賭けるならブックメーカーとJRAのどちらが有利か?

ブックメーカーはスポーツベッティングのイメージが強いが、実はスポーツベッティングの一枚岩ではなく、スポーツ以外の賭けも提供してくれている。

選挙や経済、賞レース、ゴシップ、天気に時事問題、オカルトなど「えっ!こんなものも賭けの対象になるの?!」というほど幅広く「賭けのジャンル」を展開しているのがブックメーカーであるため、当然ながら「海外競馬」くらいメジャーなものなら賭けの対象として準備されている。

日本人の海外競馬との関わりは「日本馬が出走しているという条件でJRAが独自オッズで馬券を販売する」というきわめて制限された状況に置かれていた。

ところが、オンラインカジノにブックメーカーが参入してからは、この「日本馬出走」という条件がなくても、日本人が海外競馬にベットできるという環境が整えられた。

たとえば、世界最高峰の国際的競馬レースであるフランスの「凱旋門賞」に、仮に日本馬が出ていない年であっても、ブックメーカーさえあればベットができてしまう。

「凱旋門賞に賭けられる」というのは、競馬ファンではない俺でも嬉しいことだから、競馬ファンの喜びは俺のそれとは比較にならないほど大きいだろう。

俺たちはいま、「JRAから凱旋門賞に賭けるか」「ブックメーカーから凱旋門賞に賭けるか」という凱旋門賞に対する二つの選択肢を手に入れている状態にある。

今回は、ブックメーカーとJRAという二つの選択肢をそれぞれ検証し、「合法性」「オッズ」「控除率」の観点から、「凱旋門賞に賭けるならどっちの方法がいいのか?」を考えていきたいと思う。

合法性で見た場合のブックメーカーとJRAの比較

合法性で見た場合のブックメーカーとJRAの比較

「合法性」という観点からのみ見た場合、ブックメーカーとJRAのどちらから凱旋門賞に賭けたほうがいいのかについては、明らかに「JRA」ということになってしまうだろう。

なぜなら、JRAの販売する馬券は完全に「合法」であるのに対して、オンラインカジノなどのブックメーカーを日本国内から利用することは、その行為自体が「違法」であるためだ。

日本では、パチンコや公営ギャンブル以外のギャンブルはすべて「賭博法」で禁止されていて、当然、ブックメーカーで遊ぶことも違法行為である。

胴元であるブックメーカーは海外に拠点を置いているため日本国内の賭博法に抵触しないのだが、ブックメーカーで遊ぶ日本人は、賭博法を違反しているということになる。

ブックメーカーによる賭けで逮捕されたケースはほぼない

明らかに違法でありながら、現在、ブックメーカーを含むオンラインカジノで賭けをしているプレイヤーが逮捕されるという事例は極めて少ないという現状もある。

「完全な合法性」だけを見るならJRAで馬券を買うことにどうしても軍配があがってしまう。

「違法だけれども今のところ見逃されてもいる」というグレーゾーンの状況を加味するならば、「違法であろうともブックメーカーで凱旋門賞に賭けてもよい」と判断することもできるだろうが、違法であることは揺るがない。

ここで問題にしているのはあくまで「合法か違法か」でしかなく、「どちらに賭けたほうがお得か」という話ではない。

あくまで前提として、日本国内から凱旋門賞に賭けるときに、ブックメーカーから賭けた場合は「違法」であるという事実を知っておくことが重要である。

繰り返しになるが、いまのところブックメーカーから凱旋門賞に賭けたとしても逮捕の可能性はかなり少ない。だが、その可能性がゼロではない、ということだけは忘れないようにしておこう。

オッズで見た場合のブックメーカーとJRAの比較

「オッズ」という観点から見た場合に、ブックメーカーとJRAを比較したならば、これは「ブックメーカーのオッズのほうがフラットで信頼できる」という判断になるだろう。

これは「日本馬が出走している場合」の話になるが(JRAとブックメーカーを比較する以上、絶対に「日本馬」は出走するのだが)、JRAが販売する馬券は「オッズ」の基準がややおかしい。

日本の競馬ファンはどうしても国内の馬に愛着と知識があり、海外競馬で活躍している馬のことをよく知らない、という事情がある。

JRAの馬券は「日本人の好み」に合わせてオッズが決定されているので、自然と日本馬に人気が集中し、オッズに偏りが出る傾向がある。

その点、ブックメーカーの「オッズ」は、世界水準でのバランスを見たうえで組まれているため、JRAの「オッズ」に起こったような偏りがなく、よりフラットで正確であるといえる。

日本馬に賭けるならブックメーカーにメリットがある

凱旋門賞では「日本馬に賭ける」のであれば、人気のために不当にオッズが低くなっていないJRAよりも、全体のバランスのなかでオッズが高くなる傾向があるブックメーカーに賭けることにメリットがあるだろう。

だが、注意してもらいたいのは「凱旋門賞で日本馬が優勝したことがない」という歴史的な事実だろう。

ブックメーカーにおける日本馬の位置はあくまでも「大穴」であり、「当たる見込みがないからオッズが高い」くらいに考えるのが妥当である。

俺個人としては、日本馬を買うならブックメーカー、それ以外の海外馬を買うならJRAと、それぞれの「オッズ」を参考にしながら「併用」して使い分けて賭けを組んでいくのが、ベストの賭け方だと考えている。

これが二つのブックメーカーであれば「アービトラージベット(両賭け)」と判断されて危険だが、JRAとブックメーカーであれば「アービトラージベット」の疑いがかかることがないのも安心だ。

「凱旋門賞」だけに賭けることを考えれば、「アービトラージベットの繰り返し」とブックメーカー側に判断されることもおそらくないため、「複数のブックメーカーで凱旋門賞に賭ける」というのもアリではないかと思う。凱旋門賞に備えてひと月以上は「両賭け」を控えておくのも、戦略の一つとなろう。

ちなみに、ブックメーカーごとに「オッズ」が少しずつ違うことにも注目されたい。複数のブックメーカーを確認して、もっとも良いと思ったオッズのところに賭けるのが凱旋門賞攻略のちょっとしたコツになるかもしれない。

控除率で見た場合のブックメーカーとJRAの比較

「控除率」という観点から見た場合にブックメーカーとJRAを比較した場合、これは圧倒的に「ブックメーカーが有利」という結論が出る。

控除率というのは「賭け金のうちで胴元が取得する割合」を示す数値のことで、要するに「テラ銭」のことだ。

「控除率」の問題となると、なんといっても、JRAが絡んでいるということは悪名高い「日本公営ギャンブルの控除率」が発生し、「世界的にトップクラスのテラ銭」であるところの「25%」もの控除率が発生してしまう。

この「25%の控除率」という要素は、JRAで凱旋門賞の馬券を買うときの最大のデメリットであることは間違いないだろう。

ブックメーカーは賭けの、種類やゲームの展開などで控除率に違いがあり、「安定した控除率」がないのだが、大体の平均をとっても10%を上回ることがない。

だから、凱旋門賞に関しても「10%以下の控除率」と考えたら大体あっている、ということになるはずだ。

控除率の低さは還元率の高さでもある

「除率が低い」ということは、裏返せば「還元率が高い」ということも意味しているため、この点においては、ブックメーカーで凱旋門賞に賭ける行為はJRAに対して何馬身もの差をつけている。

還元率というのは「使う金額が100と考えたときにどれだけの割合がギャンブラーに戻るか」という数値で、JRAは75%、ブックメーカーはおよそ90%ということになる。

「控除率が低いギャンブルは当てやすい」というのと「還元率が高いギャンブルのほうが当てやすい」は、同じことを意味している言葉で、要するに「確率」だけを見るならば、JRAよりブックメーカーのほうが「当たりやすい」と言える。

しかし、「還元率」はあくまで「確率」でしかなく、賭けに勝てるかどうか、実際に払戻金があるかどうかは、ギャンブラーの運や実力に左右される、ということは忘れてはいけないだろう。

とりわけ、凱旋門賞のような格式が高い最高峰の国際レースともなれば、還元率だけでは測れないような競馬のむずかしさが発生することは当たり前のことであり「還元率が高いから勝てる」などという定式はあまり通用しないと考えたほうがいいかもしれない。

凱旋門賞のJRAとブックメーカー比較まとめ

凱旋門賞のJRAとブックメーカー比較まとめ

  • 合法性ならJRA
  • オッズならブックメーカー
  • 控除率ならブックメーカー

凱旋門賞で賭けるにあたって、JRAとブックメーカーを比較したまとめは、以上のようになる。

「完全な合法性」と「海外馬のオッズが高い」という以外では、JRAで馬券を買うことには特別なメリットはない、というのがひとまずの結論だろうか。

検証してきた要素のうち、「凱旋門賞で勝つ」ことを目的にした場合の重要な順番は「オッズ」→「控除率」→「合法性」ということになるだろう。

なんといっても、凱旋門賞に賭けるにあたって、複数の「オッズ」が参照できるというのはブックメーカーの最大の魅力であるといえる。

なお、今回は「凱旋門賞にJRAとブックメーカーのどっちから賭ける?」という前提で話を進めてきたのでしっかりと触れなかったが、ブックメーカーで凱旋門賞に賭ける最大のメリットは「日本馬が出走しない凱旋門賞でも賭けることができる」であることは言うまでもない。

この点を見るならば、JRAとブックメーカーは初めから「戦っている土壌が違う」くらいの話で、本来は比較もおこがましいくらいである。

JRAがブックメーカーと並ぼうとするならば、今後「日本馬が出走しない凱旋門賞でも馬券を売る」くらいの英断をする必要があるだろう。

コメントを残す